ドローン空撮で大切なのは「飛ばす技術」より「飛ばさない判断」
私は2015年からドローン空撮の仕事を続けています。
これまで、墜落や接触などの事故を起こしたことはありません。
このことには、素直に誇りを持っています。
ただし、私は「自分の操縦技術が特別に優れているから事故を起こしていない」とは思っていません。
私より操縦技術に長けている方は、ごまんといます。
それでも事故は起きています。
だから私は、事故を防ぐうえで本当に大切なのは、操縦技術だけではないと思っています。
危険を感じたら飛ばさない。
少しでも違和感があれば、一度着陸させる。
無理だと判断すれば、その日の空撮そのものを中止する。
そうした判断を積み重ねてきたことが、これまで事故を起こさずに続けてこられた理由の一つだと思っています。
「飛ばせる」と「飛ばす」は違う
空撮の現場では、お客様からさまざまなご希望をいただきます。
「もう少し高く飛ばしてほしい」
「あと1カット撮ってほしい」
「もう少し近づけませんか」
もちろん、できる限りご希望には応えたいと思っています。
それが仕事です。
しかし、安全に関する判断だけは別です。
法律上飛ばせる。
機体の性能上も飛ばせる。
操縦技術的にも飛ばせる。
それでも、現場の状況を見て、
「今は飛ばさない」
「これ以上は上げない」
と判断することがあります。
飛ばせることと、飛ばすことは同じではありません。
機体の傾きが大きければ、それ以上は上昇させな
地上ではそれほど風を感じなくても、高度を上げると風が強くなることがあります。
そのとき、私は機体の傾きや挙動をよく見ています。
機体が位置を維持するために大きく傾いている。
戻ってくる速度が明らかに遅い。
そうした状態であれば、無理に高度を上げません。
実際の現場でも、
「機体の傾きが大きいので、これ以上は上昇させません」
と、お客様にはっきりお伝えします。
その先に撮りたい画があったとしても、安全より優先することはありません。
風が強くなれば、一度着陸させる
離陸したときには問題がなくても、撮影途中に風が強くなることがあります。
そのとき、
「もう少しだから」
「あと1カットだけだから」
と続けるのではなく、一度着陸させます。
そして、風の状況を確認します。
弱くなれば再開することもあります。
しかし改善しなければ、
「風が強いので、今日は中止したいです」
とお伝えします。
遠方まで来ている。
機材も準備している。
補助者も手配している。
お客様も撮影のために時間を作っている。
それでも危険だと判断すれば中止します。
事故を起こしてから、
「あのときやめておけばよかった」
では遅いからです。
当日中止してもキャンセル料はいただきません
DRONE LEAPでは、現場で安全に飛行できないと判断し、こちらの判断で空撮を中止した場合、当然キャンセル料はいただいていません。
現場まで移動しています。
機材を準備しています。
補助者も動いています。
事前確認にも時間を使っています。
そのため、当日中止になれば、こちらとしては利益が出ないどころか、赤字になることもあります。
それでも中止します。
なぜなら、目先の売上より安全のほうが大切だからです。
「せっかく来たのだから」
「今日の売上がなくなるから」
「もう少しくらいなら大丈夫だろう」
そんな理由で安全基準を下げることはありません。
目先の利益を取って、事故を起こしたらどうなるか
数万円の撮影代を惜しんで無理に飛ばし、事故を起こしたらどうなるでしょうか。
機体を失うだけで済むとは限りません。
人にけがをさせるかもしれない。
車や建物などに損害を与えるかもしれない。
お客様にも迷惑をかける。
仕事上の信用も失う。
場合によっては損害賠償などの責任を負う可能性もあります。
そうなれば、その日の撮影代とは比較になりません。
だから私は、当日の売上を失ったとしても、安全に飛ばせないと判断すれば飛ばしません。
飛ばさないことも、操縦者の仕事です。
事故は突然ではなく、小さな無理から始まる
事故というと、突然機体が故障して墜落するようなイメージを持つ方もいるかもしれません。
もちろん機体トラブルが原因になることもあります。
しかし私は、事故にはヒューマンエラーが大きく関わっていると考えています。
「少しくらい大丈夫だろう」
「あと1回だけ」
「もう少し高く」
「ここまで来たのだから撮って帰りたい」
その一つ一つは小さな判断です。
でも、その小さな無理が積み重なることで、危険な状況に入っていくことがあります。
だからこそ、飛行前の安全確認だけでは足りません。
飛行中も、
風は変わっていないか。
人や車が入ってきていないか。
機体の挙動に違和感はないか。
周囲の環境に変化はないか。
常に確認を続けます。
そして、危険の兆候を感じた段階で止めます。
操縦技術が高ければ事故を起こさないわけではない
私は、自分より操縦技術に優れた方がたくさんいることを知っています。
難しい飛行ができる方。
滑らかな映像を撮れる方。
長時間の飛行経験がある方。
私より優れた操縦者は、ごまんといます。
それでも事故は起きます。
だから私は、
操縦技術が高いことと、事故を起こさないことは、必ずしも同じではない
と思っています。
操縦技術はもちろん必要です。
しかし、事故を防ぐためにはそれだけでは足りない。
自分の技術を過信しない。
自然を甘く見ない。
機体を信用しすぎない。
そして、危険だと思ったらやめる。
私は、
「どこまで飛ばせるか」より「どこでやめるか」
のほうが、安全運航では重要だと考えています。
安全に関する最終判断は操縦者が行います
私は、ドローンの操縦者には旅客機の機長と似ている部分があると思っています。
もちろん、数百人の命を預かる旅客機とドローンでは、責任の大きさは全く違います。
しかし、安全に関する考え方には共通する部分があります。
旅客機に機体の不具合などが生じた場合、機長が安全のために別の空港へ着陸する判断をすることがあります。
そのとき、乗客が、
「予定どおり目的地まで行ってほしい」
と言ったからといって、安全上の判断を変えるわけにはいきません。
最終的な運航判断は機長が行います。
ドローンも同じだと思っています。
お客様の撮影希望は最大限尊重します。
画角についても、飛行ルートについても、できる限りご希望に合わせます。
しかし、
安全に飛ばせるかどうかの最終判断は操縦者が行います。
危険であれば飛ばさない。
飛行中でも危険を感じれば中止する。
必要なら着陸させる。
そこは、お客様のご希望より安全を優先します。
利用規約にも「操縦者の指示に従っていただく」と記載しています
DRONE LEAPの利用規約には、安全な飛行を行うため、操縦者の指示に従っていただくことを記載しています。
これは、操縦者の立場がお客様より上だという意味ではありません。
事故を防ぐために必要なルールです。
例えば、飛行中に第三者が飛行エリアへ近づいてきた場合。
急に風が強くなった場合。
機体に違和感が出た場合。
安全を確保できないと判断すれば、その場で撮影を止めることがあります。
その判断については、操縦者に任せていただく必要があります。
安全は、操縦者一人だけで作るものではありません。
お客様にも安全運航にご協力いただき、同じ方向を向いて撮影を進めることが大切だと思っています。
「せっかく来たから」は飛ばす理由にならない
空撮の現場まで何時間もかけて移動することがあります。
機材を準備し、補助者を手配し、事前確認を行います。
それでも現場に着いた結果、
「今日は飛ばさない」
という判断をすることがあります。
正直に言えば、残念です。
こちらも撮影したい。
仕事として売上にもしたい。
しかし、
「せっかく来たから」
は飛行する理由にはなりません。
目先の利益のために無理をして事故を起こす。
それだけは避けなければならないと思っています。
無事故で続けてきたことに誇りを持っています
私は、これまで事故を起こしていないことに誇りを持っています。
でも、
「自分は操縦がうまいから事故を起こさない」
と言いたいわけではありません。
むしろ、自分の技術だけを信用しないことが大切だと思っています。
風が強ければ飛ばさない。
危険を感じたら着陸させる。
無理なら中止する。
お客様の希望より安全を優先する。
そして、利益より安全を優先する。
そうした判断を一つずつ積み重ねてきました。
これから先も、絶対に事故を起こさないと言い切ることはできません。
機械を使い、屋外で飛ばす以上、リスクをゼロにすることはできないからです。
だからこそ、できるだけそのリスクを小さくする。
飛行前だけでなく、飛行中も安全確認を続ける。
そして、少しでも危険を感じたら止める。
それが操縦者の責任だと思っています。
飛ばせる技術より、飛ばさない判断
ドローン空撮では、操縦技術も撮影技術も大切です。
しかし私は、それ以上に大切なのは、
飛ばしてはいけないときに「飛ばさない」と言えること
だと思っています。
風が強ければ飛ばさない。
機体の挙動がおかしければ降ろす。
危険を感じれば撮影を止める。
必要なら当日の売上を諦める。
お客様の希望より安全を優先する。
撮ることより、無事に終えること。
飛ばすことだけが、操縦者の仕事ではありません。
飛ばさない判断も、操縦者の仕事です。
DRONE LEAPは、これからも安全を最優先にドローン空撮を行っていきます。
ドローン空撮では、操縦技術も撮影技術も大切です。NEW
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