ドローンは何mまで飛ばせる?高高度飛行のリスク

query_builder 2026/07/05
ドローン空撮全国対応ドローンコラム
高高度飛行の危険性

SNSを見ていると、「海抜5,000mまで上げた」「かなり高高度まで飛ばした」といった投稿を目にすることがあります。
また、直接話を聞くこともあります。(おそらく高高度自慢だと思いますが)


もちろん、業務や研究など明確な目的があり、必要な手続きを行ったうえで飛行している可能性もあります。そこは外から見ただけでは判断できません。


ただ、投稿を見ていて気になるのは、「その高度まで上げる必要が本当にあるの?」
という点です。映像があるわけでもなく、目的も見えない。もし単なる高高度自慢だとしたら、かなり危険な行為だと感じます。


空撮において大切なのは、どれだけ高く飛ばしたかではありません。
何を伝えるために、どの高度で、どの角度から、どれだけ安全に撮るかです。




1.カタログスペックと飛ばしてよい高度は別です。

DJIのドローンには、カタログ上「最大離陸高度6000m」「高地用プロペラ使用時7000m」といった数値が記載されている機体があります。


たとえばInspire 3は、標準プロペラで3800m、高地用プロペラで7000mという数値が示されています。
Mavic 4 Pro、Mavic 3 Pro、Matrice 4シリーズなども、最大離陸高度として6000m前後の数値が記載されています。


しかし、ここで絶対に間違えてはいけないことがあります。

これは「地上や水面から6000mまで上昇してよい」という意味ではありません。
あくまで、海抜の高い場所でも離陸・飛行できるという機体性能の目安です。


標高2000mの山岳地帯で飛ばす場合、空気は平地より薄くなります。プロペラの効率も落ち、機体の浮きや制御にも影響が出ます。そうした環境でどの程度運用できるかを示すのが、カタログ上の最大離陸高度です。


つまり、「飛べる性能があること」と「飛ばしてよいこと」はまったく別です。




2.150m以上の飛行に注意が必要

日本でドローンを飛ばす場合、航空法では地表または水面から150m以上の空域での飛行は、原則として許可が必要になります。


そのため、通常の空撮では離陸地点から149m以下を基本に考えるべきです。DID、夜間、目視外、人や物件から30m未満など、他にも確認すべき条件はありますが、高度については150mが大きな基準です。


ここで少しややこしいのが、ドローンの高度と有人航空機側の高度の考え方です。

ドローンの操縦画面に表示される高度は、基本的に離陸地点からの高さです。

一方、航空機の運航や管制上の高度は、海抜高度で整理される場面が多くあります。


そのため、150m以上の飛行について空港事務所や管制機関に問い合わせる場合は、「離陸地点から何m上げるのか」だけでは不十分です。

離陸地点そのものの海抜高度を確認し、飛行時の海抜高度を計算する必要があります。


たとえば、離陸地点の海抜が350mの場所で、離陸地点から150m上昇する場合、機体の高度は海抜500mになります。離陸地点の海抜が1000mなら、離陸地点から149mでも海抜1149mです。


この違いを理解していないと、空港事務所や管制機関との確認で話がかみ合わないことがあります。高高度飛行を検討する場合は、「その場所の海抜」「離陸地点からの高さ」「周辺空域との関係」を合わせて考える必要があります。




3.5,000m上空には雲もある

5,000mという高度は、日によっては雲の中、雲の上、または雲の下になる高度帯です。


雲は空気中の水蒸気が冷やされ、小さな水の粒や氷の粒になって浮かんでいるものが雲です。

つまり、雲の中をドローンが飛ぶということは、細かな水滴や氷の粒がある場所に入っていくということです。カメラ映像は白くなり、目視確認もできません。機体やプロペラ、カメラ、センサーへの影響も考えなければなりません。


そもそも雲に入るような飛行は、空撮として成立しにくいだけでなく、安全面でも大きな問題があります。




4.民生用マルチコプターで5,000mはリスクが大きすぎる

高高度専用の固定翼機、気球、気象観測用の機材などであれば、高い高度で運用する目的は理解できます。研究、観測、調査など、明確な理由があるからです。


しかし、一般的な民生用マルチコプターで5,000m上空まで上げるとなると、話はまったく違います。

高度が上がれば、地上とは風の強さも向きも変わります。気温も下がります。バッテリーの性能も低下します。通信の安定性、GPS環境、機体の姿勢制御、帰還時のバッテリー残量など、考えなければならない要素が一気に増えます。


さらに重要なのが、有人航空機との関係です。高高度になればなるほど、ドローンだけの空域ではなくなります。ヘリコプター、飛行機、防災・救助活動の航空機など、有人機の安全を妨げる可能性を考えなければなりません。


「誰もいない空だから大丈夫」ではありません。空は見えないルールと調整で成り立っています。




5.高く飛ばすより、目的に合った高度で撮る

私自身、花火の空撮で500m近くまで上昇させた経験が何度もあります。もちろん必要な確認を行ったうえでの飛行ですが、それでも怖さはありました。


高度が上がるほど、機体は小さくなり、状況判断は難しくなります。画面上では飛んでいるように見えても、現場での緊張感感はとてつもないものです。


空撮で本当に大切なのは、高度記録ではありません。

建物をどう見せるのか。町の広がりをどう伝えるのか。人の動きや現場の空気感をどう映像にするのか。その目的によって、必要な高度は変わります。

低い高度だからこそ迫力が出る映像もあります。少し引くだけで全体の関係性が伝わる映像もあります。逆に、高く上げすぎると、何を見せたいのかわからない映像になることもあります。


高く飛ばす技術より、飛ばさない判断。上げる判断より、止める判断。これが現場ではとても重要です。




まとめ

ドローンのカタログスペックにある最大離陸高度は、機体性能を示す目安であり、地上からその高度まで上昇してもよいという意味ではありません。


航空法上、地表または水面から150m以上の空域で飛行する場合は、原則として許可が必要です。また、空港事務所や管制機関に確認する際は、離陸地点からの高度だけでなく、離陸地点の海抜を踏まえた海抜高度の計算も必要になります。


民生用ドローンで5,000m級の高高度飛行を行うことは、風、気温、雲、バッテリー、通信、有人航空機との関係など、リスクが非常に大きくなります。


空撮は、高く飛ばした人がすごいわけではありません。安全に、目的に合った高度で、伝わる映像を撮れるかどうかです。


DRONE LEAPでは、ただドローンを飛ばすのではなく、現場の状況、法令、安全、映像の目的を踏まえた空撮を大切にしています。高く飛ばすことより、安全に飛行、空撮そして帰還させること。そして、必要な映像を確実に残すこと。それが、プロの空撮に必要な判断だと考えています。

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DRONE LEAP

住所: 埼玉県入間郡三芳町藤久保819-4-201

電話番号: 090-5402-8185

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