ドローンに免許は必要?国家資格と許可・承認の違いをわかりやすく解説

query_builder 2026/06/23
ドローン空撮航空法国家資格・免許取得
資格は必要?

ドローン空撮の現場で、お客様からよく聞かれることがあります。

「免許がないとドローンは飛ばせないんでしょ?」


おそらく、多くの方が同じように思っているのではないでしょうか。

ニュースや広告で「ドローン国家資格」「一等」「二等」という言葉を見かける機会が増えたことで、ドローンにも自動車のような免許制度があると思われているのかもしれません。


しかし、まず大前提として、ドローンには一般的にイメージされるような「免許制度」はありません。

もちろん、わかりやすくするために「ドローン免許」と呼ばれることはあります。
検索でも「ドローン 免許」という言葉はよく使われています。

ただし、正式には「無人航空機操縦者技能証明」という国家資格です。


そして、この技能証明は、すべてのドローン飛行で必須ではありません。


つまり、
「免許がないとドローンは飛ばせない」
という理解は正確ではありません。

正しくは、
「飛行場所や飛行方法によって、国土交通省の許可・承認が必要になる場合がある」
「一部の飛行では、国家資格や機体認証が関係する場合がある」
ということです。


ここを混同してしまうと、資格がないと飛ばせない、一等を取れば自由に飛ばせる、仕事なら一等が必要、という誤解につながります。




1.国家資格はすべての飛行で必須ではない

まず、ここをはっきりさせておきます。


ドローンの国家資格は、すべての飛行で必須ではありません。

国家資格がないとドローンを飛ばせない、というわけではありません。

ドローンの飛行で最初に確認すべきなのは、資格の有無ではなく、飛行場所と飛行方法です。


たとえば、人口集中地区、空港周辺、150m以上の上空などで飛ばす場合は、国土交通省の許可が必要になることがあります。

また、夜間飛行、目視外飛行、人や物件から30m未満の飛行、催し場所上空の飛行などは、承認が必要になることがあります。


一方で、これらに該当しない飛行であれば、航空法上の許可・承認が不要な場合もあります。


もちろん、100g以上の機体登録、リモートID、地権者や管理者の承諾、自治体や施設のルールなどは別途確認が必要です。


しかし、それと国家資格は別の話です。

「ドローンを飛ばすには国家資格が必要です」
という言い方は、正確ではありません。

正しくは、
「飛行場所や飛行方法によって、資格や許可・承認が関係する場合がある」
です。




2. 一等と二等の違い

無人航空機操縦者技能証明には、一等と二等があります。


簡単に整理すると、一等は第三者上空を含むカテゴリー飛行に関係する資格です。

二等は、第三者上空を飛行しないカテゴリー飛行に関係する資格です。


ここだけを見ると、
「一等のほうが上位だから、仕事をするなら一等が必要」
と思う方もいるかもしれません。

しかし、実際の現場ではそう単純ではありません。


仕事でドローンを使う場合でも、第三者上空を飛ばさないように立入管理をして運用するケースは多くあります。


空撮、建物撮影、不動産撮影、企業PR動画、施設撮影、点検撮影などでも、必ずしも一等が必要とは限りません。

二等で対応できる仕事もあります。


従来通り、許可・承認を取得して対応できる仕事もあります。
飛行条件によっては、国家資格が必須ではない仕事もあります。


そのため、
「仕事なら一等、趣味なら二等」
という分け方は、かなり大ざっぱです。


大切なのは、一等か二等かではなく、自分が行う飛行に何が必要なのかを確認することです。




3.一等を取っただけでは第三者上空を飛ばせない

広告で特に注意したいのが、「一等なら第三者上空を補助者なしで飛行できます」


これは非常に誤解されやすいです。

一等無人航空機操縦士の技能証明は、第三者上空を含むカテゴリー飛行に関係する資格です。

しかし、一等を取得しただけで、第三者上空を自由に飛ばせるわけではありません。


第三者上空を飛行するには、少なくとも次のような条件が関係します。

・一等無人航空機操縦士の技能証明
・第一種機体認証を受けた機体
・飛行内容に応じたリスク評価
・飛行マニュアルの作成
・運航管理体制の整備
・国土交通大臣の許可・承認


つまり、一等は必要な条件のひとつであって、それだけで飛行できるわけではありません。

「一等を取れば第三者上空を飛べる」
という広告表現は、操縦者の資格だけを強調しすぎています。


本来は、機体認証、許可・承認、運航管理まで含めて説明する必要があります。




4.型式認証と機体認証も関係する

第三者上空飛行を考えるうえで、型式認証と機体認証も重要です。


型式認証は、製造メーカーが取得するものです。
そのモデルのドローンが、安全基準を満たしているかを確認する制度です。

機体認証は、機体を所持している人、または使用者が取得するものです。

実際に使う一機ごとの機体について、安全性を確認する制度です。


簡単に言えば、型式認証は「機体のモデル」に対する認証。
機体認証は「自分が使うその一機」に対する認証です。


また、第一種機体認証を受けた機体は限られています。

一般的な空撮用ドローンや趣味用ドローンではなく、物流、点検、実証実験などを想定した大型の産業用ドローンが中心です。


そのため、普段使っている空撮用ドローンを持っていて、一等の資格を取得したとしても、その機体でそのまま第三者上空を補助者なしで飛ばせるわけではありません。


ここを説明せずに、
「一等なら第三者上空を飛べます」と言い切る広告には注意が必要です。




5.「免許」「国家資格」という言葉の誤解

「ドローン免許」という言葉は、一般の方にはわかりやすい表現です。


しかし、わかりやすい反面、誤解も生みます。

自動車の場合、運転免許がなければ公道を運転できません。

その感覚で「ドローン免許」と聞くと、
「免許がないとドローンは飛ばせない」
と思ってしまうのは自然なことです。


ただ、ドローンの場合はそうではありません。

国家資格がなくても飛ばせるケースがあります。
一方で、国家資格を持っていても、飛行場所や飛行方法によっては許可・承認が必要になるケースがあります。


つまり、ドローンは「免許があるかないか」だけで判断するものではありません。

どこで飛ばすのか。
どのように飛ばすのか。
第三者が飛行経路下に入らないよう管理できるのか。
その飛行が特定飛行に該当するのか。

この確認が先です。




6.誇大広告や誤解を招く表現に注意

ドローンスクールも商売です。


講習を受けてもらうために広告を出し、集客すること自体は当然だと思います。

ただし、集客のために制度を過度に単純化したり、実際よりも簡単に飛ばせるように見せたり、資格が必須であるかのように伝えたりするのは問題があります。


特に、次のような表現には注意が必要です。

・ドローンを飛ばすには国家資格が必要
・仕事で使うなら一等が必要
・一等を取れば第三者上空を補助者なしで飛行できる
・国家資格があれば許可申請は不要
・資格を取ればすぐ仕事になる
・二等は趣味程度


こうした表現は、重要な前提条件を省いている場合、誇大広告や虚偽広告のように受け取られても仕方がありません。


資格取得には時間も費用もかかります。

だからこそ、受講する人が正しく判断できる情報を出すべきです。

「わかりやすくするために省略した」
では済まされないことがあります。


省略された部分こそ、飛行できるかどうか、安全に運用できるかどうかを左右する大切な条件だからです。




7.資格より先に確認すべきこと

ドローンを飛ばす前に確認すべきことは、資格だけではありません。


まず確認すべきなのは、飛行場所と飛行方法です。

DID地区か
・空港周辺ではないか
150m以上の上空ではないか
・夜間飛行ではないか
・目視外飛行ではないか
・人や物件から30m未満にならないか
・第三者が飛行経路下に入らないよう管理できるか
・地権者や管理者の承諾は取れているか
・自治体や施設のルールに反していないか


これらを確認したうえで、必要に応じて資格、許可・承認、補助者、飛行マニュアル、運航管理体制を考えるべきです。


国家資格は大切です。

しかし、国家資格だけで安全な飛行ができるわけではありません。




まとめ

免許がないと飛ばせない、は正確ではない


ドローンについて、
「免許がないと飛ばせないんでしょ?」
と聞かれることは少なくありません。


しかし、ドローンには自動車のような意味での免許制度はありません。


正式には「無人航空機操縦者技能証明」という国家資格です。

そして、この国家資格はすべての飛行で必須ではありません。

飛行場所や飛行方法によっては、国土交通省の許可・承認が必要になります。


一方で、条件によっては許可も承認も不要な飛行もあります。


また、一等を取得しただけで、第三者上空を補助者なしで自由に飛行できるわけでもありません。

カテゴリー飛行には、一等の技能証明だけでなく、型式認証、機体認証、許可・承認、リスク評価、飛行マニュアル、運航管理体制などが関係します。


資格を取ることは良いことです。
学ぶことも大切です。

ただし、資格が必須であるかのように見せたり、一等を取れば何でも飛ばせるように見せたりする広告には注意が必要です。


ドローンスクールも商売です。
集客に力を入れるのは理解できます。

しかし、誇大広告や虚偽広告のように受け取られる表現は、ドローン業界全体の信頼を下げてしまいます。


これからドローンを学ぶ人には、広告の言葉だけで判断せず、正しい制度を理解したうえで、自分に必要な学びを選んでほしいと思います。


大切なのは、資格を取ることではありません。

安全に、正しく、責任を持って飛ばすことです。

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