陸上自衛隊のドローン墜落事故に思うこと。プロとして、私が「今はまだ国産機を使わない」理由。

query_builder 2026/01/15
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SOTEN


こんにちは。ドローンリープの西澤です。

2026年が明けて早々、私たちドローンに関わる人間にとって、非常に見過ごせない、そして背筋が凍るようなニュースが飛び込んできました。


1月13日、鹿児島と宮崎の県境にある霧島演習場にて、陸上自衛隊が訓練中に使用していた小型ドローンが、風にあおられて操縦不能となり、行方不明(墜落)になったという事故です。

ニュース等の報道では「強風にあおられた」ことが主な原因とされています。しかし、現場で日々ドローンを飛ばし、空の厳しさと機材の限界を知る私からすれば、この事故は「起こるべくして起きた」と感じざるを得ません。


ネット上では既に、事故を起こした機体と同型と思われる画像が出回っていますが、それは政府が導入を強力に推進している国産ドローン「SOTEN(蒼天)」です。

今日は、あえて少し厳しいことを書きます。

なぜなら、ドローン空撮は一歩間違えれば重大な事故につながる「サービス業」であり、お客様の信頼と安全を守る義務が私にはあるからです。



なぜ私が、国が推奨する「国産ドローン」ではなく、あえて「DJI製ドローン」を使い続けるのか。その理由を、今回の事故と私自身の操縦経験を交えてお話しします。






「強風」は事故の言い訳になるのか?

まず、今回の事故原因とされる「風」についてです。

報道を見る限り、演習場の天候は荒れていたようですが、私たちプロの感覚から言わせていただくと、現代の産業用ドローンにおいて「風で制御不能になる」というのは、機体の制御性能(姿勢制御)が著しく低いと言わざるを得ません。

私が普段業務で使用しているDJIの「Mavic 3」シリーズなどは、風速10m/sを超えるような突風が吹く環境下でも、驚くほどピタリと空中で静止します。まるで三脚を立てているかのように動きません。

パイロットがスティックから指を離せば、機体はその場に留まり続ける。これが現代のドローンの「当たり前」の基準です。


しかし、国産機は違います。

「強風だったから落ちた」のではありません。「多少の風でも耐えられない性能の機体を、現場に投入してしまった」ことが問題の本質なのです。(そもそも風に対する認識が甘いのです)






私が体験した「国産機」のリアルな恐怖

実は私自身、過去に話題の国産機「SOTEN(蒼天)」を実際に操縦した経験があります。

その時の感想を正直に言えば、「怖くて飛ばせない」の一言でした。

まず、ホバリング(空中停止)が安定しません。

無風に近い状態であっても、機体が微妙にふらつき、常に当て舵(修正操作)を意識していなければならないような感覚がありました。

さらに恐ろしかったのは、意図しない挙動です。

下降させる操作をすることなく、勝手に下降を始めたり、GPSの測位が甘いのか、自分の位置を見失うような挙動を見せたりすることがありました。

操縦していて、常に「落ちるかもしれない」という不安が付きまとうのです。

その後、比較のためにすぐにDJI機を飛ばしましたが、その安定感の違いは歴然でした。雲泥の差、と言っても過言ではありません。

「ああ、これなら何があっても帰ってくる」と思える信頼感。

それがDJIにはあり、残念ながら今の国産機にはありませんでした。






100万円の国産機 vs 半額以下のDJI

コストパフォーマンスの面でも、疑問は残ります。

SOTENのような国産産業機は、標準的なセットで約100万円ほどします。

一方で、世界シェアNo.1のDJIの同等クラス(あるいはそれ以上)の機体は、その半額以下で導入可能です。

価格が2倍以上するのに、性能や安定性は半分以下。

これでは、ビジネスとして、そして何より安全管理のプロとして、国産機を選ぶ理由が見当たりません。

もちろん、国が「経済安全保障」の観点から国産ドローンを普及させたい意図は理解できます。「データが海外サーバーに送信されるリスク」を懸念する声があるのも事実です。

しかし、私たち現場の人間にとっての「安全」とは何でしょうか?

データのセキュリティももちろん大切ですが、それ以前に「頭の上に落ちてこないこと」「意図した通りに安全に飛行できること」これこそが、絶対的な安全ではないでしょうか。

セキュリティを守るために、物理的な墜落リスクが数倍高い機体を使う。

これは、本末転倒だと私は思います。






建設現場と接客業の経験から思うこと

私は以前、建設業界に15年、接客業に25年従事してきました。

建設現場における「安全」がいかにシビアで、絶対的なものであるか。そして、お客様にサービスを提供する上で「安心」がいかに重要か。その両方を骨の髄まで理解しているつもりです。

ドローン空撮をご依頼いただくお客様の現場は、演習場のような何もない広野ばかりではありません。

住宅密集地であったり、高価な資材が並ぶ建設現場であったり、多くの人が関わるイベント会場であったりします。

そんな場所で、「風にあおられました」「制御不能になりました」という言い訳は通用しません。

万が一、墜落事故が起きれば、お客様のプロジェクトそのものを止めてしまう可能性があるのです。

だからこそ、私は現時点では国産機を使いません。

「国が推しているから」という理由だけで、未成熟な機体をお客様の現場持ち込むことは、プロとして無責任だと考えるからです。






いつか国産機を使う日のために

誤解していただきたくないのは、私は「国産ドローンが嫌い」なわけではありません。むしろ、日本人として、日本の技術で作られたドローンが世界を席巻する日が来ることを切に願っています。

しかし、それは「今」ではありません。

無理な現場投入や、補助金ありきの導入ではなく、メーカーにはまず「世界レベルの基礎性能」を追求してほしい。

パイロットが安心して背中を預けられる、そんな機体が完成したあかつきには、私は喜んで国産機を導入し、DRONE LEAPの主力機として大空で飛ばすでしょう。


それまでの間、私はプロとして、世界で最も信頼性が高く、最も安全に美しい映像が撮れる機体(DJI)を選び続けます。

もし、官公庁の案件や企業の規定で「国産指定」があったとしても、私は正直にお伝えします。


「安全な撮影・飛行を最優先するなら、今はまだDJIを使わせてください」と。

それが、DRONE LEAPをご利用いただくお客様への、私なりの誠意であり、安全への誓いです。

今回の自衛隊機の事故が、単なる「強風のせい」で片付けられることなく、機体の完成度を見つめ直すきっかけになることを願ってやみません。


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DRONE LEAP

住所: 埼玉県入間郡三芳町

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